3つの大きな影響とは?
皆さんは「8020(ハチマルニイマル)運動」という言葉を聞いたことがありますか?これはなんでもおいしく食事をするために「80歳になっても20本以上の歯を保とう」という運動です。歯が多いことは、実は食事だけでなく、健康で豊かな人生を送れるかどうかにも深く関係しています。
歯が少ないと・・・あれも!これも!食べられない・・・
お煎餅・お肉・イカなど、「歯ごたえがあるからこそおいしい」という食べ物がたくさんあります。しかし、右の表にあるように、歯が少なくなると、食べられるものがどんどん限られていきます。好きなものをおいしく食べられることは、豊かな人生には必要不可欠。歯は20本以上あれば不自由なく食事ができますので、まずは20本以上維持することを目指しましょう。
歯が多ければ・・・「健康寿命」も長くなる!
「健康寿命」という言葉を聞いたことがありますか?「健康寿命」とは「元気で健康に自立して過ごせる期間」です。豊かな人生を過ごすためには、単に長生きするだけでなく、「健康寿命」を長くすることが大切です。実はこの「健康寿命」にも歯の本数が関わっていることがわかってきています。たくさん歯が残っている人ほど「寿命」も「健康寿命」も共に長くなります。健康で長生きをするためにも歯はとても大切です。
認知症発症で1.9倍!転倒は2.5倍に!
歯の本数は「認知症」や「転倒リスク」とも関連しています。「歯がまったく無く、入れ歯などもしていない人」は「歯が20本以上ある人(※歯がなくても入れ歯により噛み合わせが回復している人も含む)」に比べて、認知症の発症リスクが1.9倍も高くなるという調査結果があります。また、「歯が19本以下で入れ歯をしていない人」は「20本以上歯がある人」と比べると、転倒リスクが2.5倍という結果も。転倒をきっかけに寝たきりになってしまう高齢者は非常に多く、「認知症」とあわせてここでも「健康寿命」と歯の本数との関連性が見えてきます。
豊かな人生を送るために歯を守ろう!
高齢になって歯を失う原因の多くは「歯周病」です。歯周病は単に歯ぐきが腫れる病気ではなく、歯を支える骨を溶かしてしまう病気です。しかも自覚症状がなく進行するため「沈黙の病」ともいわれています。「気づいたらもう抜かざるを得なくなっていた…。」そうならないためにも、自覚はなくても必ず定期的に歯科でチェックすること。これは健康で長生きするためのとても大切な習慣のひとつです。
歯を失ってもあきらめないで!
歯を失ってしまったとしても、入れ歯やブリッジなどの方法で機能を回復することがとても大切です。失ったまま放置していると、残された歯の寿命も短くなり、食べ物が満足に噛めなくなるリスクが確実に高くなります。また、無理に残すよりも、周囲の健康な歯への影響を考え「抜いたほうがいい」という場合も多くあります(「親しらず」がその典型です)。健康なお口の維持には専門家による総合的な判断が必要不可欠ですので、そういった意味でも、定期的にご来院いただき、お口のチェックをされることをおすすめいたします。