テレビなどでも耳にする「歯周病」。名前は知っていても、実際どんな病気なのか知らない方が多いのでは?
今回は歯周病の基本知識とお口の中だけにとどまらないその「怖さ」をお伝えしたいと思います。
その1 骨が溶け、歯が抜ける…
歯周病は単に歯茎が腫れたり、出血するだけの病気ではありません。歯を支えている歯槽骨(しそうこつ)を少しずつ溶かし、やがては歯が抜けてしまうことに…。成人が歯を失う原因のNo.1は、実はむし歯ではなく歯周病です!
その2 知らぬ間に進行する!
比較的若い頃はむし歯が多いのに対し、歯周病は年をとるにつれて歯がグラグラしたり、抜けてしまったりと目立つ症状が出てくる病気。長い時間をかけて悪化するため、気がつくのが高齢の方に多いだけで、30代でも歯周病がはじまっている方は大勢います。
これは言い換えると、「自覚症状がないまま静かに進行している」ということ。歯周病で歯を失ってしまったお年寄りは、ある日突然歯周病になったのではなく、若い頃からかかっていたことに気づかず放置してしまっていたのです。知らぬ間に進行し、気づいた時にはもう手遅れ。これが歯周病の一番の怖さといえます。
その3 糖尿病の悪化・心臓病の原因になる
実は歯周病は糖尿病の悪化や心臓病の原因となるほか、妊婦の場合は低体重児や早産の原因にもなります。近年研究が進むに連れ、これ以外にも歯周病菌が体中に周って全身疾患を引き起こしている実態がどんどん明らかになっています。また、お年寄りの場合は死にも至りかねない誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)の原因にも。
「歯周病を治さないかぎり健康にはなれない」…そう言えるくらい全身の健康と密接な関わりがあるのです。
「歯茎からの出血や腫れがある=歯周病の可能性大」と言えます。また自覚症状が無くても、歯茎の中で歯周病が進行し歯周ポケットが深くなっていることも珍しくありません。重症化を未然に防ぐために、定期的な歯周病検査はとても大切。30歳を超えたらクリーニングも兼ねてぜひ歯科医院に定期的にご来院ください。