歯を抜いたけど、見た目もおかしくないし食事できるからそのままで平気?
もしそんな考えでブリッジや入れ歯をせず、抜歯した部分をそのまま放置してしまうと、想像以上に大変なことになります。意外かもしれませんが、1本でも歯がなくなると、両隣の歯が傾いたり、噛み合っていた向かい合う歯が伸びてきたりと、ほんの短期間でたくさんの歯が動いてしまいます。実はこうして歯が動いてしまうことが、お口の中はもちろん、体全体にも悪影響を及ぼすことになります。
理由1 むし歯や歯周病になる
抜歯をしたところは隙間などに食べカスが詰まりやすくなり、また歯ブラシも届きにくくなります。すると、細菌がどんどん繁殖し、むし歯や歯周病を引き起こす原因になります。
理由2 見た目が変わってしまう
歯が移動すると噛み合わせがおかしくなり、片方だけで噛むなど、様々な癖がついてしまいます。すると、抜けた部分の見た目だけでなく、顔全体までゆがんでしまったり、口の周りのシワが増える原因にもなります。
理由3 肩こり・腰痛などを引き起こす
噛み合わせはまた、口だけでなく体中にも影響を及ぼします。噛み合わせが悪くなり顎を支える筋肉のバランスがおかしくなると、頭・首・肩・背中・腰などの痛みを引き起こすことがあります。
理由4 治療が困難。費用もかかる。
歯が動いてしまってから治療を行おうとしても、すでにブリッジなどの治療が出来ない状態になっていることもあります。この場合、元に戻すには噛み合わせ調整や矯正治療を必要とするなど、治療期間や費用が余計にかかってしまうこともあります。
このように、1本の歯を失うことによる体への影響は大きいものです。「抜歯をしたら痛みが治まったからもういいや」と、途中で治療を中断することは絶対にやめてください。まずはむし歯や歯周病で大事な歯を失うことにならないよう、歯科医院で定期健診を受けることが何よりも大切です。