「歯周病は大人がなるもの」と思っていませんか?実際、かつては大人の病気だと思われていた病気ですが、実は近年の調査で、子どもの歯周病患者が増えているという結果がでています。
むし歯が減っているのになぜ歯周病は増えたの?
近年歯周病が増加している原因は、食生活の欧米化が大きいと考えられています。歯周病は「細菌」が原因ですが、この細菌の繁殖をおさえる役割を果たしているのが「だ液」です。ファーストフードを代表とする欧米食は柔らかい食べ物が多く、噛む回数が少なくなってしまい「だ液」が出にくくなります。またさらに、口の周りの筋肉も弱くなるため「ポカン」と口が開いたままになってしまい、これが「口呼吸(こうこきゅう)」を引き起こします。すると口の中が乾燥してしまい、やはりこれも「だ液」が少なくなる原因になっているのです。
大人じゃないし、そんなにひどくならないでしょ?
放置すれば、40代でもう数本しか歯が残っていないということも…歯周病は歯を失う原因のNo.1です。子どもの頃から放置し続ければ、早ければ30代で歯が抜けはじめ、40代でもう数本しか歯が残っていないということも十分にありえます。さらに、実は歯周病は口の中だけの病気ではなく、心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病といった病気とも深く関連しており、こうしたリスクを若いうちから背負うことになってしまいます。もし細菌のすみかである歯石がついてしまったら、年齢問わず必ず歯科医院で除去してもらいましょう。
対処法は大人も子どもも同じです。よく噛んでだ液の分泌を増やすこと。そして、子どものうちから正しい歯磨きを身につけておくことが大切です。歯科医院ではお口チェックや歯石取りだけでなく、歯磨き指導もしていますので、ぜひお気軽にお声がけください。