ドライマウスは別名『口腔乾燥症(こうくうかんそうしょう)』ともいわれ、
だ液が減って口が乾燥する症状をいいます。
直接的には口が乾いて不快になる程度ですので「たいしたことない」と思われがちですが、
実はドライマウスにはさまざまな思わぬ危険性が隠されています。
細菌が繁殖する!
この号の「プラーク」のお話にもあるように、細菌はさまざまな病気の原因となりますが、
ここで非常に重要な働きをしているのが「だ液」です。
だ液はそうした細菌の繁殖を抑えるとともに、むし歯になりかけた歯を修復する役割ももっています。
つまり、ドライマウス=だ液が減る、ということは、
むし歯や歯周病をはじめ、さまざまな病気のリスクが高まることを意味します。
また、ドライマウスは口臭の原因にもなりますが、
これはだ液が少なくなったため、細菌が繁殖して悪臭を放っているからです。
死因のNo.1!?高齢者は十分注意を!
だ液が少なくなると、食べ物をスムーズに飲み込みにくくなります。
すると誤って食べ物が気道に入りやすくなり、とても苦しい思いをします(誤嚥といいます)。
さらにこの時、口の中で繁殖した細菌が一緒に肺に入り込み、肺炎を引き起こします。
これを「誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)」といいます。
実は高齢者の直接的な死亡原因のNo.1は肺炎であり、
その多くはこの誤嚥性肺炎であるといわれています。
原因はさまざま・・・
ドライマウスの原因はさまざまです。
加齢、薬の副作用、喫煙、ストレス、糖尿病、はたまた難病とされるシェーグレン症候群の場合も…。
原因を特定して治すのがベストですが、加齢などが原因で対応が難しい場合は、
対症療法として「だ液を出すマッサージをする」「ガムを噛む」「マウスウォッシュを使う」などの
方法があります。ドライマウスにはいろいろなリスクがあります。
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