最近、CMなどでもよく耳にする「歯周ポケット」ですが、これは「単なる歯の周りのミゾ」ではありません!!このポケットの正体は、実は歯周病菌によって歯と歯ぐきが引きはがされてできたもの。つまり、ポケットがあるということは、歯周病にかかっている証拠でもあるのです。
深さ1cm以上にも・・・
健康な歯と歯ぐきの間のミゾ(歯肉溝)は1?2mm程度。しかし、歯周病になると歯周ポケットとなってどんどん深くなり、1cm以上になることも珍しくありません。驚くことに、ここまで深くなると、歯周病菌は歯ぐきを引きはがすだけでなく、歯ぐきを支える骨までも溶かしてしまいます。もちろん、最終的に歯が抜けてしまうのはいうまでもありません。
見た目ではわからない歯周ポケット
上の図のように、歯周病が進行すればするほど、歯周ポケットはどんどん深くなっていきます。では下の写真の方の歯周ポケットの深さはどれくらいだと思いますか?
一見するとすごく悪いようには見えませんが、実はその深さを測ると深いところで10mm以上もあります。10mm以上といえば重度の歯周病ですから、いつ歯が抜けてもおかしくない状態です。実は歯周病で一番危険なのは、このように目で見てもその症状の重さがわかりにくいことです。さらには自覚症状も少ないため、軽度はおろか中度以上の歯周病であっても自分が歯周病だと気づいていない方がたくさんいらっしゃいます。
治療をしても元に戻すには限界があります!
治療をして歯周病が改善してくれば、炎症が収まり歯周ポケットは浅くなっていきます。しかし、歯ぐきを支える骨は一度溶けてしまうと、ほとんど再生することがありません。その場合、ポケットそのものは浅くなっても、歯ぐきが下がって歯が長くなったように見えたり、歯ぐきを支える骨が減ったままなので、歯を失うリスクを抱えながら生活していかなくてはならないのです。
初期段階ではほとんど自覚症状がなく、気づいた頃には元に戻せないほどに進行している。これが歯周病の本当の怖さです。実際には成人の8割が歯周病というデータもあります。症状が無くても安心せず、ぜひ一度「歯周ポケット」の検査をしに歯科医院へお越しください。
歯科定期検診は健康な今こそスタート
半年に1度は歯科検診が必要といわれていますが、気になっていてもなかなか受診できない、という方も多いのではないでしょうか。勇気を出して一度ご来院ください。