歯周病は歯ぐきの炎症に始まり、やがて歯を支える骨まで溶かしてしまうとても怖い病気です。しかしそれだけではありません!歯周病によってお口の中が出血すると、そこから細菌が血管内に入り込みます。そして血流にのって全身へ…。実は、歯周病はお口だけではなく、体全体に悪影響を及ぼすのです。
今回は、歯周病がもたらす体への影響についてご紹介致します。
●糖尿病
糖尿病によって引き起こされる合併症といえば、腎症、網膜症などが有名ですが、実は歯周病もその一つです。同時に、歯周病もまた糖尿病治療の要である「血糖コントロール」を妨害します。つまり、お互いに悪い影響を与え合っていますので、糖尿病の方は歯周病にも十分注意してください。
●早産 低体重児出産のリスク増加
妊娠中はホルモンの変化で、通常より歯周病になりやすい体質になっています。さらに、歯周病菌が血管から子宮に至ると、子宮収縮を起こし早産や低体重児出産の原因となることも。そのリスクは歯周病ではない人と比べ、約5倍以上です。
●誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)
気管にだ液やプラーク(歯垢「しこう」)が入ってしまうと、それに含まれる細菌が肺炎を誘発します。この細菌には歯周病菌も含まれますから、歯周病が悪化し歯周病菌が増えると、誤嚥性肺炎のリスクも高まります。
●心臓の病気
口内の血管から入り込んだ細菌などは全身に回っていきます。これが心臓周辺に至ると、血管の詰まりの原因となり、この詰まりが心筋梗塞や狭心症などを引き起こします。
このように、歯周病は全身にさまざまな悪影響を及ぼします。しかし、歯周病は初期段階では自覚症状が少ないため、気づいていない方もたくさんいます。実際には成人の8割が歯周病だといわれますので、自覚がなくてもぜひ一度検査を受けましょう!!